データ復旧
株式会社ピーシーキッド
データ復旧の豆知識
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PCから嫌な匂い
PCから嫌な匂いがする
PCから嫌な匂いがする場合、その多くが電子部品などの故障や、ケーブルの断線などで焦げ臭い臭いがするという例が多いようですが、PC内に埃がたまり、溜まった埃が冷却ファンに絡みつくなどしてPCの冷却がうまくいかず、部品の接着部分などが過熱して嫌な臭いを発しているのかもしれません。その場合、固定されていたパーツが取れてしまう可能性もあり、PCの故障の原因になりかねません。PCから異臭がすると感じる場合の殆どが、「焦げ臭い匂い」や「なんともいえないケミカル臭」などではないかと思いますが、そのどちらも冷却がうまくいっておらず、PCが熱暴走を起こしている可能性がある場合の臭いです。それ以外にも何らかの原因でPC内にカビが発生し、かび臭い匂いがすることがあります。PCからは本来、臭いはしませんので、何か臭いや音など普段と違う症状を感じたときは、油断せず対応策を考えたほうが良いかもしれません。
PCから嫌な匂いがする原因
PCから嫌な匂いがする原因には主に以下のようなものがあります。
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- PC内部に埃がたまっている
- PCを購入後数年経過すると、PCの通風孔から侵入した埃がPC内に堆積していきます。埃が溜まったまま放置していると、冷却ファンに埃が絡まり、冷却がうまくいかなくなることがあります。PC使用中はかなり熱くなるので、冷却がうまくいかなくなるとPCが熱暴走を起こすなど、さまざまな不具合が起きてきます。
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- ケーブルが断線している
- ケーブルが折れ曲がっていても気が付かないでいて、断線している場合があり、完全に断線してしまえば、通電しないので気が付きますが、断線する手前だと、そのあたりに電気的な大きな負荷がかかります。その際にシース(素材はポリ塩化ビニルや天然ゴム、クロロプレンゴムなど)が焦げて、嫌な臭いを発することがあります。放置すると、ショートしたり、火災の原因にもなりますので、PCのあたりで嫌な臭いがすると感じたら、放置せず、PCに繋がっているケーブルをチェックすることをおすすめします。
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- マザーボードに不具合がある
- マザーボードにはストレージの他、CPU、GPU、メモリなど重要なパーツを搭載した電子回路基板です。マザーボードに誘電性がある水分が混入すると、それが原因でショートし、マザーボード上に配置されているパーツが破損して焼き付いてしまい、焦げ臭い嫌な臭いを発します。また、マザーボード上のパーツには一時的に蓄電するコンデンサがありますが、コンデンサが液漏れを起こしていると、電源を他のパーツに安定的に送ることができず、煙が出たり、埃やゴミを巻き込んで異臭を放ちます。コンデンサが破裂した場合も破裂音と焦げた臭いを発生させます。
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- HDDに不具合がある
- HDDの経年劣化による不具合が異臭の原因になっていることがあります。HDDの寿命は、PCの使い方にもよりますが、約5年以内となっています。HDDの基板がショートしたり、チップが焼けたりしてHDDが動かなくなり、異臭がするばかりでなくデータの読み書きもできなくなります。HDDを取り出して基板を確認すると、ショートした基板は黒くなっていたり、焦げ臭い臭いがします。
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- グラフィックボードに不具合がある
- 夥しい熱が発生するGPU(グラフィックボード)には高性能な冷却ファンがとりつけられています。グラフィックボードの冷却機能が何らかの原因で損なわれると、PC内部が熱くなり、パーツが溶けたり焦げたりする場合があります。GPU上の配線がショートしたり、グラフィックボードのファンが回転しなくなったりすると、帆げ臭い臭いやケミカル臭が発生するようです。
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- 電源まわりに不具合がある
- コンデンサには、直流電気を遮り、交流電気を流す役割があります。電圧を安定させ、モータを回し、ノイズを除去して危機の誤作動を防ぎます。電解コンデンサは電子部品の殆どに使われているパーツですが、長期間使用すると必ず劣化します。使用環境や頻度などによっては短期間で劣化し、液漏れをおこし、膨らんで破裂するようになります。電源を他のパーツに安定的に送ることができず、他のパーツに影響が及び煙が出たり、異臭を放ちます。
PCから嫌な匂いがする時の対処法
急にプラスチックが焼け焦げるような匂いがした場合は、深刻なトラブルが隠れている場合が非常に多く、そのまま使い続けたら、最悪出火の可能性もあります。HDDに問題がある場合は、内部のデータにアクセスできなくなります。電源回りやマザーボードにトラブルが発生している場合は、急に電源の供給が絶たれ、電源が入らなくなることがあります。また、電源が仮に入っても、BIOS画面から進まず、OSが起動しないということも起こります。
PCから異臭がする場合の対処法ですが、既に異臭がする時点で、PCにトラブルが発生しています。それ以上症状を悪化させないための対処法であり、予防のほうが重要です。
PCからの異臭を予防する
PCから異臭がするということは、PCに重大なトラブルが発生しているサインです。はっきり言ってしまえば、その時点での対処法が殆どありません。「すぐに電源を切って下さい。」という以外の助言がみつかりません。では、異臭トラブルを予防するためにはどのようなことに留意すべきでしょうか。予防法としては以下のようなことが考えられます。
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- 室温に注意する
- PCの適正使用温度は約30℃から70℃くらいで、3Dレンダリングや動画編集、ゲームなどCPUやGPUに負荷がかかる使い方をしていると、50℃~70℃になります。PCを使用する室温は、通常よりもやや低めに設定することをおすすめします。但し、室温が低すぎるのもPCにとってはよくありません。PCにとって最適な温度は人間が生活するのに快適な室温とほぼ変わらない20℃~25℃と言われています。
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- PCに埃を溜めない
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ある程度の期間使ったPCには、埃が溜まってそれがPCトラブルの原因になる可能性があります。埃を溜めないように定期的に掃除をすることで埃が原因の不具合を予防することができます。通風孔はPCが熱を逃がすための構造ですが、埃の侵入口でもあります。埃が溜まって冷却ファンに絡みつき、冷却ファンの回転を阻害するようになると、パフォーマンスの低下につながり、PCが熱を帯びて「熱暴走」を起こす原因にもなります。PC内に埃がたまることはできれば避けたいものです。筐体外部はセルフクリーニングでもよいのですが、PC内部の埃を掃除したいとき、自信がない場合は専門業者に依頼することをおすすめします。(但し、一度筐体を開けてしまうとメーカー保証の対象外になる可能性がありますのでご注意ください。)
- トラッキング現象予防
- トラッキング現象とは、埃が静電気を誘発し、USBの差し込み口などから漏電や発火が発生する現象で梅雨の時期や冬に多いのが特徴です。結露が発生し、埃が湿気を帯びることで炭化し、電気の筋道 ( トラック ) が作られ、通電します。その状態を放置すると、ショートし、焦げ臭い臭いがします。発火する前の異臭で気がついた場合、コンセントとプラグの間や、USBの差し込み口に埃が溜まっていないかどうか確認して下さい。埃が溜まっているようであれば、すぐに綿棒などで掃除してください。凹凸の両方を掃除することでトラッキング現象を予防できます。
- スリット ( 通風孔 )の掃除
- PCケース筐体のスリット ( 通風孔 )の掃除には掃除機やエアダスター、ブロワーなどを使います。冷却ファンが回ることで埃がスリット ( 通風孔 )に溜まります。埃が溜まり通風孔を塞いでしまうと、内部の熱をうまく逃がすことができなくなり、トラブルの原因になります。掃除機にアタッチメントを装着して、PCを傷つけないように埃をおおまかに吸い取り、細かいスリットはブロワーやエアダスターで埃を飛ばします。汚れが気になっても、アルコール分を含んだウェットティッシュなどは使わないでください。細かい部分は綿棒でふき取るなどします。
- PC内部の掃除
- PC内部には細かいパーツが無数にあり、パーツが取れたり、細かいネジを紛失したりするリスクを鑑みると、専門業者にクリーニングを依頼するのがおすすめですが、ヒートシンクや冷却ファンの埃をエアダスターで飛ばして除去する程度なら、そこまでハードルは高くないかもしれません。( エアダスターを使うときは、火気がない場所で行ってください。気体が引火するおそれがあります。)
筐体を開ける際は、静電気防止の手袋をつけ、電源を切ってから内部の掃除を始めてください。内部の掃除には掃除機はなるべく使わないほうがいいかもしれません。基板以外の場所は、静電気防止の繊維を使った帯電防止ブラシなどで埃をはらいます。
