データ復旧
株式会社ピーシーキッド
ストレージシステム入門
ストレージシステム入門
ストレージシステム入門
- ストレージシステムのイメージ図
- アレイコントローラが複数のストレージを管理。バッファを備えていて、高速にアクセスできます。
多くの企業でビッグデータを資産と考え、保存・管理・分析を行う傾向にあります。「デジタルデータの保護」が重要視される時代にあって、企業が保有するデータの正しい管理とデータを使用する人間にとっての効率的な共有データへのアクセスを両立させることは、企業が果たすべき責務です。自宅や出張先、客先からでも素早く共有データにアクセスできるということは、同時に不正アクセス、ハッキングのリスクも増えるということです。企業規模に関わらず、効率的なストレージリソースの使用を保証しながら、ストレージ内のデータの完全性を保護するためにも、ストレージ環境の最適化は全ての企業にとって不可欠であり、そこで必要になるのが、「ストレージシステム」です。
「個人情報保護法」などの法令に基づき情報管理の強化が求められる中、ストレージシステムを構築することで、永続的なデータの保存やデータの共有などの面での効率的なデータ管理が叶います。増え続けるデータ量、広がる法規制に対処するためにデータを保存・管理するためのストレージシステムの構築が正しく運用されているかどうかが、これからのビジネスシーンにおけるデータ運用において明暗を分ける鍵となります。
ストレージシステムは、複数のSSD/HDDとコントローラで構成されています。コントローラは、複数のSSD/HDDを一つのストレージとして扱うための制御を行い、搭載されているキャッシュメモリ(アレイコントローラのバッファ)により、アクセス速度を速めます。ストレージシステムには、以下のような種類があります。
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- オールフラッシュアレイ(AFA)
- SSDを複数配列して一つのストレージとして利用するアレイ。コスト的に割高であっても、それを上回るメリットがあります。特にビッグデータ分析、データベース処理、仮想環境でのデータ処理などのランダムI/Oが多い処理には、レイテンシが小さく、高いパフォーマンスが見込めます。但し、SSDの書き込み寿命には注意が必要です。
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- ディスクアレイ
- HDDを複数配列して一つのストレージとして利用するアレイ。処理速度の速さよりも、コスト、冗長性、大容量のデータ保存が目的の場合に、容量ごとのコストが抑えられるHDDを使ったアレイを使用します。HDDは、単体で数TB~数十TBの容量の製品もあり、アーカイブストレージ、大容量のファイルサーバー、監視カメラ用のストレージなど、保存をメインの目的とした場合にメリットがあります。
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- ハイブリッドアレイ
- SSDとHDDを組み合わせ、複数配列して一つのストレージとして利用するアレイ。SSDとHDD相互の短所を補い、データ処理速度や保存期間、導入コストの面においてもバランスがとれたアレイです。低コストで大容量のデータ保存を可能にしながら、頻繁に利用するアプリケーションでは、SSDの処理速度の速さを活かすことができます。
ストレージシステムの接続方式
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DAS(Direct Attached Storage)直接接続方式
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- DAS ( Direct Attached Storage ) の特徴
- ストレージデバイスとサーバを専用のコントローラとケーブルで直接接続して使用します。ネットワークを介さない方法で、高度な技術を必要としないため、導入・運用のハードルが低いのがDASの特徴です。DAS方式で接続するストレージそのものを「DAS」と呼ぶ場合もあります。コストの面でも安価に抑えられるため、比較的小規模なシステムのストレージに適しています。デメリットとしては、アクセスが接続しているサーバに限られるため、他のサーバ内のデータにアクセスする場合、面倒なやりとりが必要になることや、サーバやストレージが増えることで、その管理に時間を取られてしまうことなどがあります。 DASについての説明はこちら
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NAS(Network Attached Storage)ネットワーク接続方式
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- NAS ( Network Attached Storage ) の特徴
- ストレージデバイスとサーバをネットワークで接続するのがNAS方式です。導入が容易で、運用コストも安価に抑えられます。NAS方式で接続するストレージそのものを「NAS」と呼ぶ場合が多いようです。ファイル共有に特化した接続方式で、スケーラブルなストレージ管理が可能です。RAID構成を使用したNASでは、冗長性も高く、安全なバックアップも可能です。外出先からでもストレージ内のデータにアクセス・編集できる利便性や、そのデータを簡単に共有できることもNAS方式のメリットです。デメリットとしては、インターネットを使用するため、データの傍受・盗難などのリスクにさらされることがあげられます。 NASについての説明はこちら
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SAN(Storage Area Network)直接/ネットワーク接続方式
※図は、FC-SANの説明図ですが、IP-SANはFCswitchを介しません。 -
- SAN ( Starage Area Network ) の特徴
- DASの高速な処理とNASのストレージ共有の利便性を兼ね備えているのがSAN方式です。複数のファイバーチャネルデバイス間のデータをFCスイッチで制御し、高速かつ信頼性の高いデータ転送を実現します。ストレージシステムの中でも最も大容量のデータを扱う高いトランザクション処理に適した接続方式です。LANから独立したストレージ専用のネットワークを構築してストレージとサーバをFCで相互接続し、効率的な統合管理や運用を可能にします。ストレージが統合され、独自のストレージネットワークが構築されているため、頻繁にデータベースにアクセスするような大量のデータの読み書きや大容量のデータの取り合扱いにも適しています。SANは、以前であれば高速な光ファイバーケーブルを使用したFC-SANが一般的でしたが、FC-SAN以外にもEthernetやTCP/IP、iSCSIなどのIP(インターネットプロトコル)を利用して構築するIP-SANもあります。IP-SANは、インターネットで標準的に使われているTCP/IPでデータ転送を行うため、専用の機器は使いません。 SANについての説明はこちら
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