データ復旧
株式会社ピーシーキッド
メディア入門
メディア入門
光学メディアについて
光学メディアとは
光学メディアの元祖と言われている1980年代に発売された「LD(レーザーディスク)」は、現在の光学ディスクとは別物です。直径が30cmもあり、厚みも2.5mmあります。ビデオ信号をアナログデータのまま両面に記録します。片面60分、両面で120分のビデオデータを記録できましたが、コンパクトなCD、DVDの台頭と同時に市場から姿を消しました。光学ドライブ装置を使い、レーザー光を用いた光ピックアップにより情報を読み書きするメディアを光学メディアと言います。写真や動画、音楽その他のデータを保存することができる円盤状のCDやDVD、Blu-ray Discなどの総称です。光ディスク、光学ディスクと呼ばれることもあります。ディスク裏側の記録面にデータを書き込みます。光学メディアは、他の記録メディアと比較して価格が安く、長期保存に向いています。厚みがないので、収納しやすく、軽くて持ち運びに便利です。データの揮発性がない書き込み方式なので、大切なデータのバックアップをとり、長期保存することも可能です。写真や動画などのデータの受け渡しにも便利です。
光学メディアとしては、CD ( Compact Disc )、DVD ( Digital Versatile Disc )、BD ( Blue-ray Disc )などが、外部記憶メディアとして広く使われています。レーザー光を用いた光ピックアップとは、光ディスク媒体がドライブやプレーヤーに装てんされた時に光ディスクにデータを記録したり、読み込んで再生したりするためのレーザー光源と受光パーツ、精密機器で構成される光学パーツの組み合わせのことです。この仕組みにより、光ディスクに記録されている文書などのデータや、音楽、動画、写真データを読み出したり、レーザー光を用いて情報を記録することができます。光ディスクピックアップにおいては、レーザー光を対物レンズを使ってわずか1μm ( ミクロン )という細いビームに絞ります。
超精密部品を使った最先端光学技術によってレーザー波長程度に細いビームが作られます。光ピックアップのレーザー光が光ディスクのデジタルデータ信号を読み出したり、同じようなレーザー光で、ディスク記録面にデジタルピット情報を書き込みます。ちなみに波長が短くなるほどより多くのデータを一枚のディスクに書き込んだり、再生することが可能です。
光学メディアの特徴について
光学メディアの特徴
データの長期保存に適した光学メディア
光学ディスクは厚さがほんの数ミリの円盤の形をしていて、反射層、記録層、保護層など役割が違う複数の層を重ねて作っています。レーザー光をディスクに照射すると、保護層を通り抜け、記録・反射層に届きます。記録層のピットという凹みで性質を変えた上で反射されます。反射されたレーザー光を光センサーで解析しデータを読み取ります。製造コストの安さや搬送性の高さ、大量生産の容易さなどのメリットがあり、音楽や映像作品の供給媒体として、あるいはゲーム機器のソフトウェア供給媒体として幅広く使われています。
光学ディスクは適切な取り扱い及び保存方法をとっていれば、最低でも10年程度、長くて100年ほど保存しておくことが可能だと言われています。(製造した年代により、製造に使用した素材が違うので、一概には言えません。)CD、DVD、Blu-ray等光学メディアはコスト的にも安価で、長期保存に向いているため、アーカイブ保存用に使用するメディアとして最適ですが、紫外線や湿気に弱いため、保存の際の環境には気を配る必要があります。
BD-RやM_DISCは耐久性を高めた製品で、特にM_DISCは熱や光、湿気にも強く、およそ100年にわたってデータを保存できるとされています。しかし、光ディスクは、記録密度の限界がレーザー光の波長で決まるため、大容量化が難しく、容量が必要な大規模サーバーのバックアップなどには向きません。また頻繁な書き換えには対応できないため、PCの補助記憶装置やビデオレコーダーでは、HDDやSSDが主に使われています。書き換える必要が生じないバックアップやアーカイブ保存に適しています。
光学メディアの種類
- コンパクトディスク
- コンパクトディスク ( Compact Disc ) は、一般にCDと略して呼ばれています。音楽を記録するため開発された第一世代の光ディスクです。現在では音楽以外にもPCのデータを保存する目的等に用いられています。読み取りには赤外線レーザーが用いられます。CDの断面は、保護層、反射層、樹脂層の3層構造になっています。どんなCDでも音楽を書き込めば音楽CDになり、PCのデータを書き込めばデータCDになります。同じ材質、構造ですが、「AUDIO用」として販売されているものは、著作権保護のための保証金が値段に含まれていて「DATA用」のものと区別するための印があり、オーディオ用のCDレコーダーは、「AUDIO用」のCDにしか録音できなくなっています。
- DVD
- DVD(Digital Versatile Disc)は、一般にDVDと略して呼ばれています。CDに比較すると容量が画期的に大きくなった第二世代の光ディスクです。容量が大きくなったことで、CDではできなかった長時間の動画保存なども可能になり、高画質・高音質も叶えられたため、当時のVHSビデオテープなどにとってかわり、映像記録の主要メディアとなりました。ポリカーボネート製の円板を2枚張り合わせてあり、650nmの赤色レーザー光を使用して読み取ります。CDよりもピットを細かくすることで約7~8倍のデータを保存できるようになりました。
- Blu-ray
- Blu-ray Disc( ブルーレイディスク )は、一般にブルーレイと略して呼ばれています。DVDの後継の第三世代のディスクです。Blu-rayは、赤色レーザー光よりも波長が短い青紫色半導体レーザーを使用してデータを読みとります。DVDの5倍以上の容量を記録することができ、転送速度もDVDの数倍速くなりました。
光学メディアの耐久性
M_DISCは長期保存が可能
企業の保管義務がある書類データや病院のカルテ、製薬会社の医薬品治験データ、建築関連の図面や設計図、撮りためた写真、データ化した小説やダウンロードした論文など書き換える必要がなく、ずっと大切に保管したいデータはどこに保存したらいいでしょうか。普段使っているストレージ ( SSDやHDD ) の寿命はおよそ3~5年程度。SDカードやUSBメモリの寿命も2~3年程度と、あまり長くはありません。利便性やコストの観点からHDDやSSD、USBメモリなどが、主流の保存媒体として選ばれています。しかし、うっかりデータを上書きしてしまったり、突然の故障などで、データの読み出しができなくなってしまうなど、大事なデータを長く残すメディアとしては向いていません。
クラウドに保存すれば、遠くに住む家族や友人とデータを簡単に共有できるという利便性はありますが、容量ごとに利用料金が発生します。クラウドサービスが停止したり、変更するリスクもあります。
光学メディアは適切に保存すれば、長期保存することが可能なメディアです。但し、傷がついたり、歪んだりすることで保存してあるデータを読み込むことが出来なくなるので、ケースに入れずにむき出しで保存するのはやめましょう。1枚ずつケースに入れて縦置きにするか、スピンドルケースに入れて保管してください。
M_DISC ( Millennial Disc ) は、米国 Millenniata 社が開発した長寿命記録メディアで、耐久性に優れた高品質の光学メディアです。特許を取得した金属系の素材を記録面に使用し、レーザーで、物理的な凹凸を作ります。従来のディスクの素材に比べて金属系の素材を使った記録面は劣化しにくいため、耐久性が飛躍的に向上し、100年以上保存できます。書き込みはM_DISC対応の光学ドライブで行います。一回しか書き込みできない方式で、上書きができません。データの改ざんが不可能なので、絶対に書き換えたくないデータに向いています。M_DISCは記録面が特殊な金属膜で覆われていて、そこにレーザー波で傷をつける方法でデータを記録します。見た目もDVDやBDディスクとさほど変わらず、DVD/BDドライブで読み込むことができます。見た目もDVDやBDディスクとさほど変わらず、DVD / BDドライブで読み込むことができます。大切なデータを次の世代まで残すことが可能です。
M_DISCと通常のディスクの比較表
| M_DISC | DVD-Rなど通常のディスク |
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| M_DISC |
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| DVD-Rなど通常のディスク |
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